システム制御・制御工学は,ざっくり言うと微分方程式や差分方程式をはじめとする動的なシステムの解析を扱う学問体系です.制御工学,古典・現代制御といったキーワードで習った(あるいは,これから習う)制御分野の内容の数理をもっと究めていこう,というイメージです.
制御分野で取り扱われる問題は多様ですが,与えられた関数の最小化あるいは最大化を図る最適化とシステム制御のリンクした領域およびその周辺に興味をもって研究しています.要するに,制御と最適化双方の知見を活かしておもしろいことをやろう,という気持ちです.制御分野では,最適制御(および,そのオンライン版に相当するモデル予測制御)や,制御器の最適設計といったテーマが主な課題になります.数理最適化の区分で言うと,変数が連続値をとる問題を扱う連続最適化と呼ばれる分野です.
上記のようになんとなく理論先行っぽい印象ですが,その分だけ工学応用の可能性も広く,考えているモデルの式に(近似も含めて)帰着できる,あるいは理論を発展させるポテンシャルのある工学問題に対して応用の機会があるという点が,他の工学分野と比べた特長であり,やりがいのある点です.高度な数学の道具を用いるというよりは,アイデア勝負でおもしろいことができる点も魅力だと思います.
研究室のHP
ポスター
メンバー紹介

研究キーワード
- システム制御
- 制御工学
- 連続最適化
研究内容

研究室の様子
研究の進め方としては,新しいアイデアに基づいてアルゴリズムを設計したり,理論的あるいは数値計算的にアルゴリズムの検証を行ったり,工学問題への応用を検討したりと,理論問題・工学問題を対象として多岐にわたります.研究スタイルは人それぞれですが,論文を読んだり,雑談したり,数値計算をする中で気づいた既存の方法論の課題に対して,新しいアイデアでアッといわせよう,というのが豊田の姿勢です.正解はないので,自分のスタイルを見つけてマイペースでやってもらえると良いです.
研究に取り組むためのまとまった時間のある学生時代なので,短期的に成果を出すことより(それもある意味で重要ですが),研究者として強くなることに重点をおいてほしいです.実機実装や実機実験をすることよりは,地道に考えるプロセスが中心になりますが,考えた経験は財産になります.制御や最適化に限りませんが,専門とする数理的な分野と基礎となる微積分・線形代数に習熟すれば,他の分野ともリンクした形で将来的に活きてきます(現に豊田の前の所属は機械系で,その前の所属は統計系でした).将来どんな分野に進んだとしても,自分で課題を見つけて,それに対し多様な解決策を提示できる,強いエンジニアになってもらえるようにサポートします.
